介護事業では6ホームの新規開設と、ライク社による1ホームの事業譲受により、運営ホーム数は91ホームとなり、当社、ライク社ともに既存のホームが高入居率で推移しました。不動産事業は、仲池上と宝塚小浜の2案件を予定通り売却し、順調に推移しました。
<介護事業>
光熱費や物価の高騰による影響は継続しているものの、新型コロナウイルス感染症がインフルエンザ等の感染症と同じ扱いとなり、コロナ関連経費が大幅に減少しました。また、少数精鋭プロジェクトを進めたことで、生産性向上による利益率改善と、サービスの質向上に寄与いたしました。
当期は7ホーム(首都圏3ホーム、近畿圏4ホーム)、486室の新規開設(ライク社による1ホームの事業譲受を含む)により、累計で91ホーム(首都圏42ホーム、近畿圏49ホーム)、6,159室(首都圏2,523室、近畿圏3,636室)となりました。月に2回業績会議を実施し、入居促進を含め課題を抱えているホームについては、早期改善を促していることも奏功し、当社の新設ホームとライク社ホームの入居が特に好調に推移し、既存ホームにおいては高い入居率を維持しております。
2024年3月にライク社が株式会社グッドタイムと事業譲渡契約を締結し、同社が運営する大阪府羽曳野市の介護付有料老人ホームの運営事業を譲り受けました。業界の常識にとらわれない当社のノウハウを投入することで、早期の入居率改善と運営の効率化を図ってまいります。
進行する建設資材の高騰や人材不足により、今後ますます新規のホーム開設のペースが鈍化すると予想されます。すでにライク社という先例がありますが、当社がM&Aで取得したホームの課題を解決し利益を確保することで、従来の、あるいはそれ以上のペースでのホーム数増加を実現したいと考えております。
2023年8月には、ホームの入居営業に特化したチャームシニアリビングという子会社を設立しました。介護事業において、売上成長に直結する入居の推進は不可欠な要素であるとともに、紹介料という内部コストの削減につながります。また、お客様の状況に応じて、他社ホームをご紹介することで、外販売上高を獲得することも可能です。
また、2024年6月に東急不動産株式会社の子会社である株式会社東急イーライフデザインの株式を一部取得し、業務提携を行うことを決定しました。両社グループの持つ知見・ノウハウを掛け合わせることで創造される新たな住宅・サービスを通じて、ご高齢者の誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来と介護業界のさらなる発展を目指してまいります。
<不動産事業>
東京都大田区の土地建物(仲池上案件)ならびに、兵庫県宝塚市の土地建物(宝塚小浜案件)については計画どおり2024年6月に売却を完了しました。また、同年6月に「チャームプレミア京都烏丸六角」の建物(借地権付建物)を売却しましたが、同時に売却先を賃貸人、当社を賃借人とする当該固定資産についての賃貸借契約を締結しており、引き続き当社が運営を行ってまいります。
<その他の事業(グッドパートナーズ社)>
人材派遣や訪問看護の事業が好調に推移しました。当社の介護事業を補完し、シナジーを発揮するビジネスとして、引き続き推進してまいります。
<新規事業>
AI技術を用いた介護事業者向けのBtoBサービスとして、介護現場における虐待防止システムの開発に取り組んでおり、当社のホームで試作品を用いた実証実験を進めております。早期の事業化に向けて、引き続き注力してまいります。